おいどんの日記ブログ

ブログと言うよりただの日記

色褪せてゆくもの

日記をつけようとしても、書きたい事が山盛りなのに何も書けず。大変な出来事が同時進行で頭も心もぐらぐらだった毎日。1週間以上かかってやっと今、日記をつけられる。
本当なら、9月25日の自分の記憶が遠ざかる前に書きたかったけど無理だった。日常と夢の様な現実がごちゃごちゃになって絡み合って解けずにいたものが、だんだんするりと解け始めたので日記をつける。


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'16.9.25 am9:54

駅のホームで電車を待つ。不思議なくらい緊張しない。自分ではあり得ないほどの平常心。電車の中でする事を色々考える。本当に直前でイベント参加の準備をしたから、左手しか塗れていない小汚いネイル。人が少なかったら右手を電車で塗ろう。お手紙を書いていない。下書きだけでも電車で書こう。そんな事を考えていると、

「あのぅ…」

後ろから顔をのぞき込まれる様に声を掛けられた。後ろに人が居た事すらわからなかったから驚いてそちらを見ると、

「FCツアーに行かれる方ですか?」

「えっ…はい(何でわかったの???)」

「背中のタミヤがチラっと見えたので、もしかしたらと思って声を掛けてしまいました 笑」

黒いタミヤのTシャツだと、向こうに行くまでは目立つので、カーデを羽織って前を隠し、背中はリュックで見えないと思っていた。が、どうやらロゴが透けて、背負ったリュックから僅かに見えていたらしい。声を掛けて下さったその人は、パーカーの下に同じくタミヤを着ていた。
ちょうどそのやりとりのタイミングで電車がホームに流れ込んで来た。その方と少しの会話をしながら電車に乗り込む。
指定席を取っておいてよかった!思いの外、乗客が多くて、その時点で右手のネイルは断念する。
お隣はご婦人が先に座っておいでで、窓際の私はすいません💧と前を失礼して座席へ。せっかくの窓際なのに、ご婦人がカーテンを閉めておられた為、『脳内世界の車窓から』ごっこは出来ずしょぼくれる。ネイルは塗れぬが文字は書ける!そう思って書こうとしたが、ご婦人の視線が乱反射の様に私に降り注ぐ。やむなくメモ帳を取り出し、どっかの記者ばりのコソコソ感満載に、何とかお手紙の下書きはしたけど、走り書き過ぎて後で読めるか心配になるくらいの象形文字でまたしょぼくれる。
まだ緊張しない。これはタダ事じゃない。こんなのいつもの私じゃない。その辺に買物行ってるくらいの普通感。色んな人達のTLを眺めても平常心。どうしたと?うち。
そうこうしてる間に無事に博多駅に運ばれた私。


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'16.9.25 am11:39


まず先に家族や相方さんへお土産を買う。お昼だけど、ご飯を食べるよりも、とにかくお手紙を完成させる事で頭がいっぱいだったから、お手紙が書けそうなスポットを求めて博多駅のあちらこちらを徘徊する。ちょうどお昼時で、どこもかしこも人が店からはみ出ている。ひとしきり探して、某カーネルさんの所に空きを見つけ、迷惑にもシェイクだけを頼み、店の隅っこにコソコソ座る。電車内で書きなぐった象形文字の解読に何とか成功し、無事にお手紙を完成させた。
お土産のデカイ荷物をロッカーへ入れようと、ロッカーを探す。が!すべてのロッカーが使用中!!
色んな場所のロッカーへ行くも全滅。最悪だ……こんな荷物持ってライブへ行くのなんてクソ恥ずかしい。でも時間が迫っていたので仕方なく手荷物ずっしりのまま、タクシーを拾い福岡サンパレスへ。
とうとうこの日が来たんだ。ゴールデンボンバー・FC限定ライブ&握手会に参戦する日が。

タクシー内で羽織っていたカーデを脱ぎ、やっと蒸し暑さから開放され、堂々とタミヤだけで過ごせる時が来た。サンパレスに着きタクシーを降りると、会場周辺の至る所に散らばっていたり、集まったりしている色んな人達。この人達すべてが同じ時間を共有するんだなぁ。そう思いながら、自分が参加する2部の本人確認の列が出来るのを待つ。先に行なわれる1部の人達の認証列は並び終わり、自分が握手を希望するメンバーの列に分かれていた。
先に来ていた私の頼りの相方(←この日は参戦出来ず)の友人さんとツイッターでやりとりしながら、黙々とただただ列に並び順番を待つ。

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'16.9.25 pm 14:54

認証も無事に終え、その後すぐ物販列に並び、自分・子・相方さんの分をそれぞれ無事に購入。上の写真はその直後、ぼんやりと周りを見渡していた時のもの。そしていよいよ握手の列へ並ぶ時が来た。
握手する直前にスタッフさんが回収してしまうので、列に並んでいる最中慌てて撮ったリストバンド。握手会2部はピンク、1部の方々はブルーだったみたい。スタッフさん、なぜか逆にバンドつけちゃってる…。


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'16.9.25 pm 15:44

小雨が降ったり止んだりの中、じっと並ぶ。傘は持って来なかったから、仕方なくグッズタオルを頭に乗せてほんの気持ち程度に雨をしのぐ。小雨と湿度でベタベタになり、ただでさえ残念な出来の私は更に残念なルックスに…。それより、もう握手の列に並んでいるのに、まだ緊張してこない自分に疑問を感じ始める。本当にどうしたんだ?とうとう屋内へ列が流れ会場内へ。舞台上に作られたメンバーそれぞれの真っ白い握手ブースが見える。少しずつ、確実に列が流れる。つけておいた方がスムーズに会話出来ると聞いて、用意してきたお手製の名札をつける。周りの人達を見て、あの人綺麗だなぁ~、スタイルいいなぁ~、すごい緊張してるなぁ~。
いやいや、まるで他人事!!自分おかしいって!もう握手するんだよ?!メンバーの声がブースから漏れ聞こえるのを聞いて笑ってる場合じゃないよ?
あり得ないくらい緊張しない自分に、一瞬浮かんだ事。

もしかして、私ってもう熱が冷めてるのかな……


だって緊張しぃの私なら、アガり過ぎて歯がカチカチカチカチ音を立てるくらい口が震え出して、手で顎を押さえて震えを止めてなきゃいけないのに。
冷めてるなんて事はないはずのに…そう考えている間に、次は自分の番になっていた。私の目の前の白いブースの中にその人は居る。スタッフさんが段取り良くピンクのリストバンドをはさみで切る。しばらくして、スタッフさんが目の前のカーテンを開けて、中へどうぞと言った。



なぜ私があんなに緊張しなかったのか、やっと理由がわかった。私は信じていなかったんだ。今日のこの日のこの瞬間が来るなんて。私が感謝の言葉をその人へ直接伝える事が出来るなんて。無意識に夢の中にいる感覚で過ごしていたから、現実とは感じずに並んでいられたんだ。
だけどカーテンの向こうへ入って、パチッと夢から醒めた。その人は静かにそこに立って居て、

「こんにちは。」

と言葉を発した。その状況に私の脳みそが数秒フリーズしてしまい、その人の顔を、目を、ジィーッと見入ってしまった。言葉も感覚も何もなく、頭の中が真っ白の状態。そして数秒かかって理解した。

『あぁ キリショーだ まぶしいなぁ 』

丁寧に握られた手から、来てくれた人に対して平等に握手しようとしている心が伝わる。
だけど茫然として思考が止っていて、知る限りの言葉すべてを失っている。最大級の緊張が一瞬にして私を襲って来て、脳が液体窒素に漬けられたみたいに固まってしまった。

「今日はありがとうね」

私に向けて掛けられた言葉に、一瞬脳が働いて何とか出た言葉は、握手会をしてくれた事に対する感謝の言葉だった。本当に精一杯絞り出せた言葉。
1番伝えたかった言葉なんてどこへやら。ただただ、ありがとうを口にした。心から頭の中から精一杯の。終始穏やかで静かな数十秒。その間の細かな事はあえて書かない。1番伝えたかった事は伝えられなかったけれど、その刹那、心底思った。

鬼龍院翔のファンで本当によかった。と。

会話と言えるような時間はなかったのに、何でそう思ったのかは今でもわからない。ただ、目の前に居るこの眩しい人の生み出す物に、心を揺さぶられ続けていると言う事を、瞬発的に自覚したからなのかもしれない。

私の脳みそは良い働きをして自分を守ってくれたようだ。もし通常の私なら、きっと随分前の段階から緊張しすぎて、感情的になり過ぎて泣いていただろう。震えて歯をカチカチ言わせ、まともな滑舌では話せていなかっただろう。
私の中の冷静担当が、精神の自己防衛の為、全ての五感をフラットな状態にさせてからこの日を迎えさせたのかも。
こうして私は、無事に未知の世界を体験した。

夜のライブまでは時間がある。会場周辺を見渡せる高い所で座って待つ。お腹空きませんか?コンビニへ行きますけど大丈夫ですか?と、相方さんのご友人からのツイートが。カロリーメイトがあるんで大丈夫です!ありがとうございます!とリプをする。
お腹は空いている。だけど1人きりで自分を取り戻す時間が欲しかった。福岡の空を流れる雲をぼんやり眺めて、黄昏時を過ごしていた。

どこの誰ともわからないこんな奴の、汗でただれた顔面から目を逸らさず、小雨の湿度でベタつく手や腕を掴んでくれて、ありがとうと言ってくれた。
ただファンであると言うだけで。
嫌な事も沢山あるだろうしあっただろう。いつも矢面に立って、バンドを続けて来てくれた。そのおかげで私はゴールデンボンバーを、鬼龍院翔を知ってファンになれた。頭が真っ白になって、伝えたかった言葉は直接言えなかったけど、お手紙を書いておいて良かった。いつか読んでもらえます様に。

いよいよ開場し、みんな整然と並ぶ。今日という1日の締めくくりだ。今日のライブはファン投票で選ばれた曲が歌われる。もうワクワクしかない。
入場して自分の席へ。両隣は女性だったので安心した。特に右隣の方とはライブ中、ちょこちょこ話せたので、短い時間だったけど楽しく過ごせて良かったなぁ。ライブ中、いつもヘドバンは控えめなのに、この日は首が取れる勢いで振ってしまった。多分、いつも隣で一緒に参戦する子が居なかったからだろうか。「母」の私ではなく「個」としての私になっていたからかもしれない。そんな意味でも貴重な体験だったとしみじみ感じる。

ライブ参戦を終えて会場を出ると、もう夜だった。
同じ時間を共有した人達がわらわらと溢れる中、タクシーを拾い駅へ。夢の様な、でも確かな現実だった場所を後にしながらも、名残り惜しくてタクシーの中から余韻を切り撮った。

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'16.9.25 pm21:41


体中に残る余韻と疲れを纏い、コンビニで買ったサンドイッチ達をお供にホームへ。

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'16.9.25 pm22:17


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'16.9.25 pm22:19


ホームに人はまばらで、誰も座っていない方の少し離れたホームのベンチに座り、もしゃもしゃとサンドイッチを食べ、野菜ジュースをチューチュー飲む。少し満たされた食欲と、無事にこの日を終えられた安堵感で一気にリラックスする。1日中立ち疲れて、より一層丸太感を増した両足を投げ出して電車を待つ。
今日来られたのも、母や子のお陰だった。本当に感謝しています。行かせてくれてありがとう。
そして、行けるようにしてくれた何かにも感謝。


時間が経てば、思い出は確実に色褪せてゆく。
だけど、色は褪せても一生消えない。心の中にずっと生きてゆく。そしてこれからもまだまだ見続けていきたい。
ゴールデンボンバーのファンにさせてくれてありがとう。


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'16.9.25 pm22:22