読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おいどんの日記ブログ

ブログと言うよりただの日記

優しい言葉

まだ私が誰かの配偶者だった頃。
姑さんがいて、その姑さんと嫁の私には大きな揉め事などはなかったが、だからって仲良しってわけでもなく。愛しい息子を奪う存在の私があちらに好かれていないのは重々承知だったけど、嫁いだ先にはちょっとした家庭の事情があって、その事情ゆえ、そう思われても仕方ないのかもな…とは思っていたけど、ちょいちょい無神経な銛で心を突き刺してきたりする人だった。

私も姑(舅もだけど)が好きではなかったけど、たまには孫の顔も見せてあげないとな…と嫁なりに気にかけて実家へ遊びに行っていたが、チクチク棘のある言葉…いや、こんな表現じゃなくて、イガグリとかウニの殻をポイッ!て軽~くなんだけど投げて来られて、「痛っ!!」と「ムカッ!!」って感情が同時にくるような事を言われていたっけなー。
何だこの表現は…余計解りづらい気がする…

姑さんには妹さんがいて、その妹さんの息子のお嫁さんはとてもかわいくてオシャレな方だったので、自分の息子に嫁いだのが私みたいな感じのヤツだったって事も不満だったんだろうな。だって好みや価値観が全く違うんだもん。ちゃんとパリッと化粧して、オシャレな格好してる嫁が欲しかったんだろうけど、残念な事に私は化粧っけがなく、そんなにオシャレな格好はしなかったから。っつーかあの頃はしたくても出来なかったからね。

嫁いだ先に味方はいないと覚悟して、あちらの親戚付き合いとかしていかなきゃならないんだなぁって思いながら、まだ子が1歳か2歳ぐらいの頃のお盆の時期に、今でも忘れない衝撃的な事があった。
確か舅のお母さんが、お盆で親戚が集まるから入居施設から一時帰宅するとかで、そのお宅へ行った時に、ほとんどの親戚の人が初対面だったから、
『初めまして。〇〇の嫁です』参りをしてたんだけど、居場所がなくて、テーブルにご飯とかお惣菜を並べたりしてお手伝いをしていた。ある程度の準備が出来て、集まったみんながテーブルを囲んで食事を始めた。

久々に我が家に戻った舅のお母さんは、高齢の割にしっかりとされた方で、耳が遠かったり、足腰は弱く介助がないと動けなかったりはするものの、お話が面白くてムードメーカーみたいな雰囲気の方だったのをすごく覚えている。
テーブルに並んだお惣菜の中に、私の好きな卯の花があったので、皿に取り分けて食べていたら、テーブルを挟んだ向かいのソファーに、どっしりと座っていた舅のお母さんが私をじぃ~っと見て、

「さっぱりしていいね」

とおっしゃったので、私は

「おから、さっぱりしてて美味しいですよね!」

と答えたら

「違うよ(笑)あんただよ」

と言われたのだ。

私の事を知らない方が、ほぼ第一印象だけで私をいいねと言って下さったのだ。姑さんの好みとは程遠く、不満に思っていたであろう嫁の私に対して、舅のお母さんはいいねと肯定して下さった。
孤独な敵地の暗闇の世界から、天からの蜘蛛の糸のように垂らされた、希望の様な優しい言葉。それが当時の私にとってどれほど嬉しかったか!!

舅のお母さんと私のやりとりで、みんなが笑っていた時、姑さんだけ顔が苦笑いだったのを私は見逃さなかった。多分、自分の旦那のお義母さまが、嫌いな嫁の私を肯定した事が面白くなかったんだろうと思う。だけどそんな事がどうでも良くなるくらいに、私は私のままでもいいんだと思えた。めちゃくちゃ前向きになる力をもらったのだ。

あれから数え切れないぐらいの時間が流れて、誰かの配偶者ではなくなった今。配偶者や姑舅の事など思い出すことはないけど(思い出したくもない)、あの方の事は時々思い出す。もしかすると、年齢的にもうご存命ではないかもしれない。
血縁関係も何もないけれど、あの頃の私に前向きになれる力を下さったあなた様に出会えた事を今でも感謝しています。

優しい言葉をありがとうございました。