おいどんの日記ブログ

ブログと言うよりただの日記

Upside Down

私が何かしら惹かれる人や音楽には、必ず共通点がある。それは『ギャップ』である。
やっている事や話す事が心底下らなかったり、見た目にバカな事をやっているのに、創り出す作品は惚れ惚れするほどかっこ良くおもしろい。真正面から勝負出来る『武器』を持っている。あくまで私の中での基準なんだろうけど、色んなジャンルのギャップにやられてしまうのだ。そうそう滅多に出会さないけれど、最近久々に私のセンサーが働いて、ある人達を過去に遡って色々を知り、その知っていく過程で「やっぱりそうか!」と納得するよりも先に、自分の中のセンサーの、相変わらずの感度の良さに驚いた。そして「だから好きになったんだよ」と己に納得させられる。


私はラジオが大好きだった。
言い方が過去形なのは、結婚・子育て・働くリズムの生活の中に、ラジオにどっぷり浸かる時間がなくなってしまったから。FMもAMの全国ネットもローカルも、それぞれに好きなラジオ番組があって、それぞれ色の違う時間に浸るのがたまらなく楽しかった。私が好きなラジオは深夜ラジオ。中でもオールナイトニッポンは特に思い入れのあるラジオだった。これは今でもそう。
ここ数年、radikoのアプリのおかげでラジオを聞く機会が増えた。ラジオを聞いていると、中学の頃に訪れた音楽浸りが始まったあの日々に一気に引き戻される。そして色んな事を鮮明に思い出すのだ。

夏の夜は窓を網戸にして風を入れ、扇風機も回してその風にあたりながら、真夜中の部屋の灯り目がけて何度も窓にぶつかるカナブンの音にビクッ!としながら聞いていた事。
冬の寒い深夜は、ストーブの上にホットココア
を乗せて、冷めない様にしながら飲みつつ聞いていた事。勉強しながら、友達に手紙を書きながら、絵を書きながら、日記をつけながら。ラジオを聞く事は、私にとって生活の中で当たり前の事だった。

中学の頃にあるバンドを知り、大ファンになってから音楽どっぷりの世界が始まったけれど、今の様にネット等は当然なく、アナログに自力で情報を集めなければならなかったから、テレビ・新聞・音楽誌・ラジオ番組表など、とにかくそのバンドの情報が知れる物は全てチェックしていた。

大好きだったそのバンドのボーカルは、端正なルックスを派手に覆す程の話芸の持ち主で、喋りだけを聞くと芸人さんかと思う話しっぷりだったので、誰のラジオとかジャンルとか関係なく番組を片っ端から聞いていて、面白い人にあたる度、「おっ?」と期待してよくよく聞いていくと、さだまさしさんだったり。

そんな感じで出会った番組の中に、オールナイトニッポン(ann)があった。今と違って当時は1部・2部と呼ばれていて、1部はよく聞いていて、夜更しした日は2部まで聞いていた。と言うかラジオをつけていた。好きなボーカルの情報を探す為に聞いていたannの第2部で、私の本能の様なものをチクチクと突っ付く人達に出会してしまう。

その人達の話はとにかくふざけているし、ほぼ下ネタ(かなり変態の域をいく)だけど、笑い声を押し殺さなきゃならないぐらい面白かった。当初は芸人さんか何かだろう?と思ったけど、番組中に曲をかけたりしていたので、ミュージシャンなんだとわかった。その人達は『電気グルーヴ』と名乗った。
そして気付くのだ。その人達の作る曲とオススメでかける曲のえげつない程のかっこ良さ。テクノがこんなに気持ち良いものだとは…。電気の話す内容も、番組で流れるテクノも、頭にこびり付いて離れなくなる。何だこのギャップは??好きすぎる!!
私が夢中になっているバンドとは全くもって別の世界!一気に夢中になってしまった。

ラジオを聞くきっかけとなったバンドも相変わらず好きだったけど、電気グルーヴに侵食されていき、友達にそれを話すと誰ひとり電気を知らなかった。
バンドブームの真っ只中、X・BUCK-TICKユニコーンTM NETWORK・J(S)W・BARBEE BOYS・LÄ-PPISCHなどなど、友人達もそれぞれ好きなバンドがいたけど、私の力説する電気の良さに誰も頷いてくれず…。誰に言われたかは忘れてしまったけど、いつだったかテクノが好きと話した時に、

「テクノって音だけで歌入ってないやろ?何が良いと?歌の入ってない音楽って意味ないやろ」

…は??音楽の意味って何???歌が入ってない??
じゃあクラシックはどうなる???と、頭の中ではてなが延々と続くほど謎の言葉だった。
まぁそれはその人の考えだから…って今の自分なら思えるけど、それを言われた時は本当にはぁ?!って感じで、テクノやクラシックの良さがわかんないの??と自分の価値観だけでその人を心の中で軽蔑してしまったり。でもそれぐらいその当時は電気の音楽は理解されていなくて悲しかったな。
電気のおかげで、私の感覚の世界は広がっていった。と同時に何かが人とズレている事もこの頃から気付き始めてしまったけど(笑)


去年のM1で初めて見たメイプル超合金。いつものあの私のセンサーが作動して、色々と知りたくなって過去を辿ってみた。そしてなつさんのツイッターを見た時、センサーが働いた理由がわかったのだ。
とある日のなつさんのツイートに、
「友人からの虹の写メを見て、電気の虹が聴きたくなった」とあった。しかも「爆音で」とまである。電気を爆音で聴きたいなんて!センサーに引っかかったのはきっとこの辺りだな。そう思ってさらに色々探し漁ると、オールナイトニッポンRを聞くことが出来た。
一気に蘇るあの感覚!!明け方近くまで、笑いを押し殺して聞いていた10代の頃の私に戻る。話す内容の全てがどツボだ。この人達は間違いなく、私のギャップのルールの人達。これからが本当に楽しみで仕方ない!!

電気の数多ある曲の中で、私にとって恐ろしく中毒性のある曲『Upside Down』がある。
これを1度聴くと、ひたすら聴き続けてしまうのだ。とにかく気持よくてたまらない。
ゴールデンボンバーにもメイプル超合金にも、同じ中毒性がある。人をここまで惹き付けるなんて、どれだけの中毒性だろう。
それぞれジャンルは違うけど、真っ向から戦える同じ『武器』を確実に持っていると思う。

あーもう!センサーが働いて、体の全神経に謎の衝撃が走るあの瞬間を文字に起こせないのがもどかしい…。誰かにもおすそ分けしたいくらいの感覚なんだけどな。みんなで手を繋いで、溜まりに溜まった静電気に同時にやられるっていう具合に伝わる方法があるといいのになぁ。